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久々の更新で政治的なことを偉そうに言ってます [雑記]

 2016年7月31日の都知事選における小池百合子と増田寛也の得票(あと自称「安保法」成立後の国政選挙の結果)を見るに、この国の多数派とやらは本当に「自民党的なもの」が好き、というかそれに縛られているのだなあ、と思った。
 
 「自民党的なもの」とは戦後の経済成長期の「成功体験」に置き換えられる。アメリカ印の安定与党によって「がむしゃらな労働が報われた」時代の思ひ出が誘蛾灯の役割を果たしている。政治意識の希薄さ、それに伴う足元の人権より経済政策を重んじる感覚、「働けない」事と「働かない」事の混濁などもそれを裏付けている。さらに延々と継続している沖縄差別も「あの頃の成功体験」を共有していない事が追加的に作用しているのではないか。これは心身障がい者、女性など「働けなかった」存在への無理解とも重なる。経済成長期に後回しにしてきた(本来ならば喫緊の)懸案事項が何の反省もないまま今なお継承されている。
 事の始め、経済成長の足がかりとされる朝鮮戦争は、かつて文化も尊厳も踏みにじった朝鮮半島をさらに世界最貧レベルに叩き落とした行為である。相対的に貧しい者、弱い者を食い物にしてきた面に都合良く蓋をして「成長神話」とする神経を自分は理解できない。

 「あの時代」の「成長神話」における安定与党の敵対勢力が「左翼」。特に戦前から一貫して本流で在り続けた共産党への理性を越えた拒否感情は、彼らの在り方や主義主張に対する反発と言うより、吉良上野介のような悪役に対する嫌悪感に近いように思う。
 日本は閉ざされた劇場であり、マナーを守って「一生懸命働く」限り、終わらない成長神話を見ている観客でいられるのだ。そこには政治意識も当事者意識も無い。そして上映スタッフは「自民党的」な人々であり、舞台にあるのは巨大なテレビ画面だろう。
 安倍内閣が掲げた「あの頃の日本を取り戻す」というスローガンは「観客」で在り続けたい人にとっては甘美な誘い文句だった筈だ。かつて創生神話に彩られた喜劇は、敗戦を挟んで今度は成長神話によって彩られている。現在の演目はさしずめアベノミクスか。

 だからこの国の多数派とやらは未だに劇場型の政治手法に騙される、というか騙されている事すら認識できない。だが、日本は閉ざされた劇場では無く、国民は活劇の観客ではなく現実の当事者で、安住の座席など無い。世界は広く、社会も人も多種多様で、窓も扉も開かれており、時間は絶えず流れている。
 高齢者介護施設に勤めて、その利用者が典型的な日本人だと思った。「危険だから」と屋内で過ごすことを強いられ、テレビが一番の友達で、何より誰より大切な「あの頃」をいじくり回す事に明け暮れる。そこには異質な他者も、未来への展望も、変化への期待もない。

 現在闘うべき敵は、過去に囚われ、異質なものを多数決で排除し、厄介な問題を単純化し、もっと厄介な問題は先送りし、「成功」や「神話」や「劇場」や、「指導者」と「弱者」を求めて病まない卑屈な心理そのものではないか。そもそも当事者意識がなさ過ぎて問題を認識できない人(=観客)に思想信条を問うこと自体の意味がかなり限定的であり、事は主義主張のはるか以前の「厭な物は無いことにする」認知の問題なのだ。
 若干当事者意識を伴った提案をするならば、自分は政治に無縁だと考えている人に対しては「This is a pen.」のように「ここに問題があります」という事を繰り返し繰り返し確認して、問題について一緒に考える前に問題そのものの存在を認識させることから始めなければならない。
 
 …我が国の近代の陽はまだしばらく昇りそうにない。
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お笑い大阪市 [雑記]

久しぶりの更新がこんなふざけたネタですいません。

ツイッター経由で知ったのですが、大阪維新の会が市議会に提出するという家庭教育支援条例案が面白いのでご紹介。

http://osakanet.web.fc2.com/kateikyoiku.html 

獲得形質と先天性障害を意図的に結びつける無恥っぷりもさることながら、前文だけでも「いきこもり」「本県の未来を託す~」など謎の単語が炸裂。
大阪市はいつから大阪県になったんだw
コピペ疑惑も浮上中とか。

一番どうかしているのはココ↓


第4章 (発達障害、虐待等の予防・防止)

(伝統的子育ての推進)
第18条
わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できるものであり、こうした子育ての知恵を学習する機会を親およびこれから親になる人に提供する


伝統…パネぇw
こりゃあ一時期流行ったゲーム脳と五十歩百歩ですなあ!

※ちなみに一般常識のおさらいはこちら→http://development.kt.fc2.com/frame.html

自分はこれまで「大阪維新の会」を政治団体だと思ってきましたが、地方行政に寄生するカルト集団だったみたいですね。
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偽話しことば検定問題文 [雑記]

ちょっと前にマイミクさんが受験されたという「話しことば検定」。
http://www.hana-ken.com/test/q0001.html
これらの例題を見て、筋違いな対抗意識にかられて作っちまったのが↓です。



問題1

次の(1)~(5)の会話には前置きにクッションことばが使われたりしています。()にあてはまる最も適当と思われるものを1つえらびなさい。

1. A. 新規に入信したいのですが。
  B. かしこまりました(1.お手数ですが 2.上納金額を 3.「在家」「出家」の希望を)こちらの書類にご記入下さい。


2. A.この娘は指名できますか?
  B. (1.申し訳ありません 2.残念ですが 3.おことばを返すようですが)
    ただいま工事中ですので、替わりに…こちらの娘などはいかがでしょうか?


3. A.(1.失礼ですが 2.おぅ、ちょっとツラ貸さんかい 3.あなたには黙秘する権利があり今後の発言は今後法廷で不利な証拠として扱われる可能性があります)さっき紳助さんとお話になっていた方ですよね?
  B. …。いえ、違います。


4. A. 東尾さん、お嬢さんのご結婚おめでとうございます。
  B. ありがとう…。(1.調子の 2.殺した方が 3.おかげさまで)いい方にめぐり会ったと思っています。


5. A.横綱、ちょっとお話を伺ってよろしいでしょうか?
  B.(1.顔じゃないよ 2.かまいませんよ 3.生意気な1をシめてやるッ!)
  B' (1.よろしければ 2.ご足労ですが 3.「マル、コマしたれ」)
  B'' (1.なんで横綱が300年で68人しかいないか教えてあげますよ 2.部屋を通して下さい 3.制裁は行われた)



問題2

次の(1)~(5)の文は、それぞれ、事実、意見、推測、伝聞、嘘のうちどれにあてはまるか、最も適当なものを答えなさい。

1. シリカゲルって食べられるんだって!

2. この肩たたき券が全国の書店で使えます。

3. 地球温暖化を抑制するには、ひとりひとりがチャクラを全開にしなければいけません。

4. ここ練馬区では、先月から東京スカイツリーの工事が始まっています。

5. この雪は。電車が降らせているのかもしれませんね。



…il||li _| ̄|○ il||l 。

『グルジア戦争とは何だったのか』(&映画『5デイズ』の感想) [雑記]

2008年8月7日、北京五輪開幕の陰で世界からほぼ無視されたまま開始されたグルジア戦争。グルジアによる自治区域南オセチアへの攻撃か、はたまたグルジアへのロシアの侵攻か。ロシア(および南オセチア)とグルジアの言い分が食い違い、未だ開戦の理由も、戦況も、被害さえ確定しない戦いを紹介したブックレット。


映画『5デイズ』関連書籍として渋谷シアターNでゲット。映画はグルジア政府全面協力の元、彼の国の視点でロシアを悪玉として、虐殺やジャーナリストへの攻撃などを非難する内容でした。
しかし、開戦前から既に付近では小競り合いが頻発しており、ロシアのメドベージエフ大統領はモスクワを離れ、プーチン首相は北京五輪開会式に出席中というタイミングを鑑みれば、グルジアによる火事場泥棒的侵攻も疑わます。
南オセチア民兵による虐殺はあったと思われますが、後ろ盾であるロシア軍と正面衝突してしまえば予想できる事でもあり、戦争に至る前に外交的解決を放棄していたグルジア政府の舵取も問われそうです。
また、ロシア参戦を想定していたとするならお粗末過ぎるグルジア軍の失策も、本書にはいくつか挙げられています。

旧ソ連構成諸国でどこまでも細分化していく民族主義と独立志向にロシアの分割統治政策が入り込み、入れ子構造の軍事衝突が繰り返されている背景を踏まえれば、映画のような一方的な論調は海外へのアピールであることがわかってきます。
ことにグルジアはイラク平和維持軍へも参加しており、ロシアの影響下を離れて西欧諸国と誼みを通じたがっており、この映画もその国是の延長でしょう。
しかし、これがつまらない。

自由主義諸国へのアピールとしてジャーナリストの受難を描く(実際に5人のジャーナリストが落命している)も、グルジアの潔白も盛り込まなきゃいけないわけで、主題にブレが生じています。
もとよりジャーナリズムに迫真性を持たせたいのなら、肩入れは程々に押さえる必要があります。
全体的に甘いトーンでご都合主義的展開が目立ち、娯楽と実録の分別がついていないため、稚拙な戦争アクションに落ち込んでいる印象です。
「市街戦の真っ最中にのんびりキスなんかしてんじゃねぇ!」
とか突っ込みながら観てました。

プロパガンダ作品は、胡散臭さが少しでも引っ掛かると一気に低評価となるハードルの高いジャンルですが、『5デイズ』は呆れるほど脇が甘かった。
もっとちゃんと「正義」に酔わせてくれよ、と言いたいです。
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未来を担う君たちへ [雑記]

未来を担う君たちへ


少年少女諸君、君たちはまだ若い。
君たちは将来様々な場所へ旅することになるだろう。そして、雲の形も、空の色も、普段見限ってきた美しさの、思いがけない奥深さを再発見するだろう。

諸君、君たちの未来は感動に彩られるべきだ。
だから、この先どんなに躓いても、くじけても、感じる心を閉ざさないでほしい。
感動を求めるかぎり、世界の窓は君たちに森羅万象の様々な表情を惜し気なく映し出すだろう。
そして、感動こそは君たちをより大きく育み、君たちをより高いところへと導いてくれるだろう。

諸君、ここに茄子という野菜がある。
それ自体にはたいした栄養素があるものではない。そのまま食べるのにも適していない。
しかし油をはじめ様々な食材と相性が良く、様々な使い道がある。
煮てよし、揚げてよし、炒めてよし。煮物、はさみ揚げ、姿揚げ、麻婆茄子、パスタや味噌汁の具にしてもいい。漬け物もいい。
茄子は誇らない。他の具材の旨味を引き立て、あるいは我が身の中へ閉じ込める。
茄子は流されない。様々な具材の中にあってなお、自らの味わいを保つ。
自己主張から一歩引いた所から、料理の多様な彩りを演出しているのだ。

諸君、私は人間も似ているように思える。
もし諸君のうち、自分の資質を疑い、社会にとって自分にどのような価値があるのかと悩み、不安に苛まれている者があるかもしれない。
だが、そんな君はむしろ自分以外を引き立たせる資質の持ち主かもしれない。いやすでに、誰かに多大な貢献をしていることに気付いていないだけの、おっちょこちょいのヒーローなのかもしれない。
つまり何が言いたいかというと。
誰かに笑ってもらうことで初めて自分も笑える、そんなことは珍しくなくて、それはそれで結構いいもんだぜ。
そういうことだ。

諸君、動くことを、旅することを諦めるな。
世界は広い。そして美しいはずだ。
君たちひとりひとりが、世界の多様な彩りを演出するための貴重な材料であると、私は信じる。
誇るな。流されるな。君たちの可能性を、感性をそんな取るに足りない思い込みで閉ざすな。
世界の窓は君たちに森羅万象の様々な表情を惜し気なく映し出すだろう。
そして未来はきっと、君たちに微笑みかけるだろう。

子どもが嫌いな野菜、1位は「なす」
http://gourmet.oricon.co.jp/2001229/full/

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 8月31日の「野菜の日」を前に、カゴメは29日、3歳~中学生の子どもを持つ母親に聞いた『子どもの野菜の好き嫌いに関する調査報告書』を発表した。それによると、60.8%の子どもに“野菜の好き嫌い”があり、子どもが食べてくれない野菜の1位は【なす】(32.5%)2位は【ピーマン】と【しいたけ】で26.0%だった。また、母親の野菜の嗜好が子どもにも影響を与えていることが明らかになった。

 嫌いな野菜は上記のほか、【おくら】(5位・21.8%)、【ねぎ】(8位・18.6%)など、独特の苦みやにおい、食感があるものが多く、好きな野菜は1位【とうもろこし】(77.3%)、2位【じゃがいも】(71.8%)、3位【えだまめ】(70.6%)など、甘みの強い野菜が上位に入った。

 また、母親に自身の嗜好を聞いたところ「野菜の好き嫌いが子どもの頃からある」と答えた人は33.0%で、そのうち「自分の子どもも好き嫌いがある」と答えた人は73.1%という結果に。一方、母親に野菜の好き嫌いがない家庭で子どもも好き嫌いがないという割合は6割以上を占めた。

 同調査は3歳~中学生の子どもを持つ女性800人を対象に、インターネットを使って実施している。

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アントニオ小暮のモンスター画像を作ってみた [雑記]

以前思いつきで書いてみた嘘プロレス文の主人公、アントニオ小暮。

http://kurohiko.blog.so-net.ne.jp/2007-05-06

この度、彼のモンスター画像をこちら(http://mazemon.jp/)で合成してみました。

まぜまぜモンスター
アントニオと小暮から生まれたモンスター
by ふりーむ! 無料ゲーム/フリーゲーム


…うん。
確かに素早いやね。

【メモ】この言い草を忘れまい [雑記]

「原発推進は決して間違いではない」 与謝野経財相


2011年4月15日10時54分
 与謝野馨経済財政相は15日の閣議後の記者会見で、「今後も日本経済にとって、電力供給にとって、原子力発電は大事だ。(原発を)推進してきたことは、決して間違いではない」と述べ、東京電力福島第一原発事故を受けても「原子力は必要なエネルギー源」との認識を示した。

 与謝野氏は日本原子力発電出身で、通産相などとして原発を推進してきた。原発の安全性について「言い訳がましいことは言いたくないが、最良の知見、最善の知識、最良の技術でベストなものをその当時は作ったと確信をしていた」と説明。「原発を推進してきた立場として今回の事故に謝罪をするつもりはないか」という記者の質問に対し、「ないです」と述べた。
[引用終了]

http://www.asahi.com/politics/update/0415/TKY201104150106.html

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こういう事は現場で言って欲しいモンです。
冗談はヅラだけにしとけよ。与謝野。
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無敵と書いてモモヒキと読む [雑記]

寒いです。
10月なのに最高気温11°ってなんなんでしょうか。
あまりの事態に冬の切り札を投入しました。
その名はモモヒキ。
これがまた効果てきめんでして、全身がホカホカであります。
モモヒキ最強。
モモヒキ無敵。
というわけで、歌を作ってみたよ!
作詞はあのちり取り瞳先生!作曲は破壊系ドラマーVOSHIKIさんだよ!


冷めきった街に 別れを告げ
荒れ狂う 暖気に身を晒せ
あいつの瞳は光失せた
今年の寒さは半端じゃない

狂った体面に捕われ おまえは健康を失った
身体貫く叫びで 氷枕が水枕に

錆び付いた関節 軋ませて
張り裂ける心を解き放て
「オヤジくさい」と、のたまった
オシャレ気取りに明日はない

埋もれた時に戸惑う おまえは悪夢をさまよう
寒気震わすNoiseが おまえの心壊してゆく

モモヒキ 感じてみろ
モモヒキ 叫んでみろ
ひとまず はいてみろ

モモヒキ 感じてみろ
モモヒキ 叫んでみろ
モモヒキ 脂肪燃やせ


…はい。X JAPANの「X」の替え歌でした。

でも「モモヒキ・サミット」はやや本気で参加したいぞ!
モモヒキレーベル所属のモモヒキ愛用者が一堂に会した夢の一夜。大興奮のクライマックスにはオーディエンスと一体となって「モモヒキジャンプ」。
ああ、夢のようです。
ヴィジュアル世代なんで、こんなネタですいません…m(__)m

検索項目:「X 歌詞」「Extasy Records」
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下男になりたい [雑記]

いい歳こいてアルバイトの自分ですが、今朝未だに「~っすよ」という体育会系語を用いていたことに愕然としました。
加齢に伴って変化していく社会的立場に相応しい態度を身につけることで、人は年相応の貫禄を獲得していくものです。
そもそも社会的立場なるものとは無縁な状態が常態化しているので「自分は~です」と歯切れよく言い切れるものが欲しくなるときがあります。
「広告屋のパシリ」では、どうにも中途半端で語呂が悪い。
「公務員」とか「黒服」とか「家事手伝い」とか「ヒモ」とか「禁治産者」とか「容疑者」とか、まあ何でもいいのですが、なるたけ実態が曖昧な方が味わいがあるような気もします。
どうせいつか転職するなら素敵な立場がくっついてくるものが望ましい。
そこで思い浮かんだのが「下男」です。
この、上層階級のプライドを視認させるような、盤石の惨めさを湛えたイメージがもう堪りません。
もしも下男になったなら…。

・村の桂庵の周旋で、素封家の屋敷に住み込みたい。
・使用人たちに刺々しい態度で迎えられ、陰湿ないじめを唇噛んでやり過ごしたい。
・「ああ、そうじゃない。こうやるんだよ」と執事に世話を焼かれたい。
・午後いっぱい薪割りなどしながらも、単調な日常の中で老いさらばえたい。
・旦那様が大切になすっていたマイセンのティーセットをうっかり壊してしまい、「この馬鹿者が!」と足蹴にされて「ひぃい!お助け…」と床に崩折れたい。
・意気がったお坊ちゃまから「お前みたいな人生も幸福かもね」と冷笑混じりに見下されたい。
・お坊ちゃまの悪友たちから手酷い悪戯を受け、理由もわからぬまま度重なる土下座で赦しを請いたい。
・捨て鉢になったお嬢様の「お前でもいいわ!あたくしを目茶苦茶にして頂戴!」といったヒステリーをオロオロしながらなだめたい。
・「わたしのような者の楽しみといったら、こんなものぐらいですよ」と寂しく微笑みながら取るに足らない創作活動に励みたい。
・他の使用人から押し付けられた菊人形作りで思わぬ才能を発揮したい。
・奥様のキビキビとした指示に従って、納屋の雨樋を補修したい。
・うっかり梯子から足を滑らせて落下し、「おまえも昔はこんなじゃなかった」と奥様に失望され「面目次第もございません」と伏し目がちに言ってみたい。
・「お前にこんな愚痴を言っても仕方ないのにな…。わたしも年を取った」とお酒の過ぎた旦那様の前でひたすら恐縮したい。
・卑屈な笑いで拒絶した後、子守娘の思い詰めた眼差しにハッとしたい。
・思いがけず跳ね上がった胸を押さえつつ、忘れ果てていたはずのときめきに戸惑いたい。
・あられもない姿のお嬢様の死体を「ひいっ!」ときっちり腰を抜かして発見したい。
・「わはははは。あれは見てくれは不気味ですが、いたって害のない男ですよ!」名探偵に鷹揚にあしらわれたい。
・尊大な刑事たちを、普段使っていない客間へ燭台片手に導きたい。
・姿を消したお坊ちゃまを、執事や村の青年団らと手分けして捜索したい。
・名探偵のたっての依頼で、蔵から虫食いだらけの古文書を探し出したい。
・刑事たちが呆れるほど、旦那様の出生の秘密に口を割らずにいたい。
・発狂した先代の奥様を拒み切れなかったため、実の息子を旦那様と呼び続けていた事を突き止められ、節くれだった指で大粒の涙を拭いたい。
・「また来てくだせぇ。村のモンは大歓迎でさ…」と涙ながらに名探偵を見送りたい。

…何という大河な展開でしょう!
書きはじめたときはここまで発展するとは思ってもみませんでした。
下男最高。
でも下男ってまだ存在してるんですかね?w
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ローアングルから見る戦争 [雑記]

古典映画にはまっている友人を洗脳すべく『誓いの休暇』のDVDをピックアップしてみました。
思いがけない戦果を挙げた少年兵は束の間の休暇をもらい、帰郷するのですが、旅の途中で出会った少女と恋に落ちるのです。初恋っすよ初恋!
乾いて荒んだ社会の断面を次々に見せられていく中で、彼等の交流はまことに瑞々しく、未来への希望として位置付けられております。
戦争と初恋。

最近はまっている『みんなミュージカル!』という漫画で、こんなシーンがあります。
片思いの女の子を救出すべく台風の嵐の中を駆け出した直情型少年が、飛来してきた看板に直撃されて、こう叫ぶのです。
「童貞のまま死ねるかー!」
男性諸氏ならば思わず納得の名台詞と思われますが、実際は我が国は先の戦争において童貞のまま戦死した兵士はけっこういらしたと思われます。
平和な現代においてさえ↑なのですから、彼等の無念はいかばかりでしょうか。
映画『大日本帝国』において、出征直前まで寸暇を惜しんでまぐわう新婚夫婦の姿が描かれておりましたが、誇張でもなんでもなく、脚本の笠原和夫の取材によるエピソードだそうです。
このような視点から戦争を語るのはいささか尾籠かもしれません。しかし、花も実も将来もある若者、処女も童貞もテンコ盛りの若者たちにたったひとつの命を求める戦争行為自体があまりにも外道です。
もし出来ることならば、汚れを知らぬ操のもまま国に命を捧げた男たちのために「鎮根碑」を建てても良いのではないでしょうか。

話は創作物に戻りまして、「戦争と童貞」ものとして本邦で最も親しまれている作品は『機動戦士ガンダム』ではないでしょうか。
「戦争を通じて少年が大人になっていく」物語ですが、勘繰るまでもなくアムロ・レイは童貞です。(断定)
否応なしに大人社会に叩き込まれた彼のいちいちウブな言動にかつての恥じらいを重ねて観賞できる点は、今なお幅広い年齢層から支持を得ている要因の一つでしょう。(その辺を意識してか、小説版はそれはそれは凄いことになっているそうです)
さて、物語終盤の「ア・バオア・クー攻防戦」で敵方のジオン軍は少年兵を動員します。
彼等の死に様もご丁寧に描かれるんですね。これが。
不慣れな操縦であっさり被弾し、スパークするコンソール前にオタオタしながら、
「ああ、あ。おかーさーん」
と言って、爆発。
気が滅入るったらありゃしません。
これが続編の『機動戦士Ζガンダム』では、敵方の鼻持ちならないエリート集団、ティターンズのパイロット、カクリコン・カクーラーの死に様が印象的です。
「うおおっ、アメリアー!」
恋人の名を叫び(しかもちょっとエッチなイメージ映像付きで)、大気圏の摩擦に焼かれて溶解。
死ね!貴様のような幸せ者は死んでしまえ!
男性諸氏ならばこの気持ちはわかっていただけると硬く信じます。
この一事をもってしても、両作品における敵方への感情移入の在り方が知れようというものです。

かつてポンキッキの歌で「ヒポポタマスのうた」というものがありました。
ヒポポタマスの一生を一週間に例え、めでたく生まれ、学校優等生で、かわいい嫁さんもらったものの翌日発病、だんだん重くなり、あっさり死んでしまい、日曜日にはお葬式~。
「運の悪いヒポポタマス~ 本当についていないヒポポタマス~♪」
といった歌なのですが、そのあまりにもコンパクトな救いのなさ加減を注目され、かつて伊集院光のラジオ番組で取り上げられたことがありました。
苦笑混じりに制作の意図に疑義を差し挟む伊集院に対し、番組スタッフの一人が思いがけない切り口で反論します。
「かわいい嫁さん貰ったんだからいいじゃん!」

まさに「童貞のまま死ねるかー!」の裏返しです。

今回は引用ばかりで申し訳ありませんが、『ゴルゴ13』の「テレパス」というエピソードで、相手の考えがわかってしまうソ連の美女スパイが、母親にこう打ち明けます。
「男の考えていることは、いつだってペニ○!ペ○ス!○ニス!」
真理です。
エロオヤジの往年の台詞に「女は子宮でものを考える」というものがあります。
自分の数少ない恋愛経験からでは、ずいぶん違和感を覚えますが、
「男はちんこでものを考える。ていうか、男とはちんこのオマケだ」
と言われれば、力強く首肯せざるを得ません。

男とは、ちんこであります。
であるからして、わたくしもまた、ちんこであります。

ああ、もう秋なのですね。蜻蛉がキュッキュと飛んでいます。彼等は、かつて生まれ育った水の中を懐かしむときはあるのでしょうか。
私は、まだちんこならざるあの時代を、一握の甘酸っぱさとともに思い返す時があります。
『誓いの休暇』、名作であります。
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