東京の最果てへ(1) [路上観察]
さる4月29日昭和の日は、まずは映画を観たのでした。
と言うわけで好例の寸評をば。
『不思議の国のアリス』のヤン・シュヴァイクマイエル流解釈。元の話を知らないとギャップが楽しめないのかもしれないが、もともと異常な話の上にさらに異常な着想を重ねているので画面がえらい事になっている。剥製、骨格標本、靴下などのメインキャスト(マジ)の中にあってアリス役の女の子の可愛らしさが際立つ。しかし、初の長編作品だからかややテンポが悪いのが残念。とはいえそんな高望みは脇に置いても、相変わらずシュールレアリズムのごときイメージのオンパレード。子供に見せたらキレイなトラウマの瘡蓋が採取できそうな逸品。(☆☆☆☆)
古くはレイ・ハリーハウゼン
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%BC%E3%83%B3)
(http://www.youtube.com/watch?v=l2Buz3pvB0Q&feature=related)
などが大作を制作したコマ撮り特撮。特殊メイクの発達を経てCGの台頭によって完全に骨董品的技術となりましたが、ハリウッドなんてどこ吹く風、チェコの映像作家たちは天かける翼のようなイマジネーションと創造的な工夫によって手間と時間のかかるローテクで独特の映像世界を作り上げていたのだそうです。
もちろん、東側は東側で当然いくつものバイアスはあったと思いますが、見たものの口を速やかに開けっ放しにしてしまう魔法使い、それがヤン・シュヴァイクマイエルです。
先日の早稲田松竹における特集で初めて観賞したのですが、開きましたよ。口。
買いましたよ。DVD。
観賞を終え、頭の中のチャンネルをいつの間にかガチャガチャと変えられてしまったような、ある種の恍惚に浸りつつ池袋まで歩きました。
新文芸坐で開催されるオールナイトのヤン・シュヴァイクマイエル上映会の切符を買い求め、ラーメン屋さんのなかで、どこへ行こうか考えました。
チャーシュー麺を待ちつつ地図を開くと、埋立地の端っこに若洲海浜公園という場所を発見。
ここは一般人が入っていい埋立地の最果てであるようです。
それはつまりある意味、東京の最果て。
いってやろうじゃありませんか。
地下鉄有楽町線で一気に新木場に出るのも面白くないので、丸の内線から日比谷線に乗り換えて築地からスタートすることにしました。
って、築地って有楽町線のかつての終点、新富町から200メートルぐらいしか離れてなかったんですね。
いきなり無駄足踏んでしまいました。
その新富町の交差点(入船橋交差点)から見えたのがこちら。
力強いのか何も考えていないのか、この手のそのまんま系ネーミングは数あれど(例/非常用縄梯子『オリロー』)、これはすごいと思いました。
剥き出しの開き直りが迸ってます。
「ゆワイター」…。
折りしも上天気ですが、休日のこのあたりに人通りはありません。
佃大橋から下流方面を見ると、勝鬨橋がかろうじて見えました。
ちなみに、去年の夏ごろに撮影したのがこちら↓
近年ますます色気づいてきた感のある勝鬨橋ですが、平生から何度となく渡っているので、今回は東よりの佃大橋を渡ってみました。
月島駅を通って2本橋を渡ると、今をときめく豊洲に出ます。
歩道も車道も余裕のある造りで、偉容を連ねる高層マンションは今なお増え続けています。
今回は撮影しなかったのですが、上の画像と同じ日に撮影したのはこちら↓
わー。
ずかんのさしえみたいなみらいとしだあ。
触手動かない動かない。
でも、この街そのものは昭和の半ばぐらいからあるわけで、10数年前はもっと違った街並でした。
その辺の面影は随所に残っています。
こんな建物とか、
こんなとことか。
運河に囲まれたエリアもろともリフォームしたような豊洲をやりすごしてその先の東雲橋を渡ると、周囲は郊外風にやさぐれてきました。郊外に欠かせない大型パチンコ店の角を左折して辰巳橋を渡ると雰囲気が完全に一変します。
集合住宅という点では豊洲と同じなんですが、辰巳は「団地」なんです。
ね?
ちなみに、手前にある緑色のゲーム機は『幕末浪漫 月華の剣士』でした。10年ほど前のゲームです。
『熱血硬派くにおくん』とかだったらどうしよう、とか無用な心配をしてしまいました。こちらは20年ほど前のゲーム。
最近のこういうゲームにはとんと疎いのですが、インベーダーでも驚かない光景ですぜ。これは。
この写真だけ見て年代を当てるのは意外と難しいかもしれません。
時がしばらく止まってしまったような商店街では、こんな商法も↓
1本単位だったらどうしよう…。
これも無用の心配ですね。
次回はいよいよ辰巳団地の懐へ滑り込みます。(つづく)
と言うわけで好例の寸評をば。
『不思議の国のアリス』のヤン・シュヴァイクマイエル流解釈。元の話を知らないとギャップが楽しめないのかもしれないが、もともと異常な話の上にさらに異常な着想を重ねているので画面がえらい事になっている。剥製、骨格標本、靴下などのメインキャスト(マジ)の中にあってアリス役の女の子の可愛らしさが際立つ。しかし、初の長編作品だからかややテンポが悪いのが残念。とはいえそんな高望みは脇に置いても、相変わらずシュールレアリズムのごときイメージのオンパレード。子供に見せたらキレイなトラウマの瘡蓋が採取できそうな逸品。(☆☆☆☆)
古くはレイ・ハリーハウゼン
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%BC%E3%83%B3)
(http://www.youtube.com/watch?v=l2Buz3pvB0Q&feature=related)
などが大作を制作したコマ撮り特撮。特殊メイクの発達を経てCGの台頭によって完全に骨董品的技術となりましたが、ハリウッドなんてどこ吹く風、チェコの映像作家たちは天かける翼のようなイマジネーションと創造的な工夫によって手間と時間のかかるローテクで独特の映像世界を作り上げていたのだそうです。
もちろん、東側は東側で当然いくつものバイアスはあったと思いますが、見たものの口を速やかに開けっ放しにしてしまう魔法使い、それがヤン・シュヴァイクマイエルです。
先日の早稲田松竹における特集で初めて観賞したのですが、開きましたよ。口。
買いましたよ。DVD。
観賞を終え、頭の中のチャンネルをいつの間にかガチャガチャと変えられてしまったような、ある種の恍惚に浸りつつ池袋まで歩きました。
新文芸坐で開催されるオールナイトのヤン・シュヴァイクマイエル上映会の切符を買い求め、ラーメン屋さんのなかで、どこへ行こうか考えました。
チャーシュー麺を待ちつつ地図を開くと、埋立地の端っこに若洲海浜公園という場所を発見。
ここは一般人が入っていい埋立地の最果てであるようです。
それはつまりある意味、東京の最果て。
いってやろうじゃありませんか。
地下鉄有楽町線で一気に新木場に出るのも面白くないので、丸の内線から日比谷線に乗り換えて築地からスタートすることにしました。
って、築地って有楽町線のかつての終点、新富町から200メートルぐらいしか離れてなかったんですね。
いきなり無駄足踏んでしまいました。
その新富町の交差点(入船橋交差点)から見えたのがこちら。
力強いのか何も考えていないのか、この手のそのまんま系ネーミングは数あれど(例/非常用縄梯子『オリロー』)、これはすごいと思いました。
剥き出しの開き直りが迸ってます。
「ゆワイター」…。
折りしも上天気ですが、休日のこのあたりに人通りはありません。
佃大橋から下流方面を見ると、勝鬨橋がかろうじて見えました。
ちなみに、去年の夏ごろに撮影したのがこちら↓
近年ますます色気づいてきた感のある勝鬨橋ですが、平生から何度となく渡っているので、今回は東よりの佃大橋を渡ってみました。
月島駅を通って2本橋を渡ると、今をときめく豊洲に出ます。
歩道も車道も余裕のある造りで、偉容を連ねる高層マンションは今なお増え続けています。
今回は撮影しなかったのですが、上の画像と同じ日に撮影したのはこちら↓
わー。
ずかんのさしえみたいなみらいとしだあ。
触手動かない動かない。
でも、この街そのものは昭和の半ばぐらいからあるわけで、10数年前はもっと違った街並でした。
その辺の面影は随所に残っています。
こんな建物とか、
こんなとことか。
運河に囲まれたエリアもろともリフォームしたような豊洲をやりすごしてその先の東雲橋を渡ると、周囲は郊外風にやさぐれてきました。郊外に欠かせない大型パチンコ店の角を左折して辰巳橋を渡ると雰囲気が完全に一変します。
集合住宅という点では豊洲と同じなんですが、辰巳は「団地」なんです。
ね?
ちなみに、手前にある緑色のゲーム機は『幕末浪漫 月華の剣士』でした。10年ほど前のゲームです。
『熱血硬派くにおくん』とかだったらどうしよう、とか無用な心配をしてしまいました。こちらは20年ほど前のゲーム。
最近のこういうゲームにはとんと疎いのですが、インベーダーでも驚かない光景ですぜ。これは。
この写真だけ見て年代を当てるのは意外と難しいかもしれません。
時がしばらく止まってしまったような商店街では、こんな商法も↓
1本単位だったらどうしよう…。
これも無用の心配ですね。
次回はいよいよ辰巳団地の懐へ滑り込みます。(つづく)
2009-05-06 01:40
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コメント(5)
トラックバック(1)
月島から豊洲、辰巳への変化は驚くべきものがありますね。
辰巳の商店街、「自転車はブリヂストン」の看板が素晴らしいです。
by つぼっち (2009-05-06 09:53)
>つぼっちさん
本当に驚きました。
地下鉄有楽町線の駅で言うなら、月島→豊洲→辰巳→新木場とあって、何故か辰巳だけ時代に取り残されてる気がしました。
駅舎自体はまだ新しいし、駅前もきれいなんですが、近くの商業施設となると…(^^;
「ブリヂストン」の隣には選挙ポスターがありますが、これも豊洲では付け入る隙のなかった物件です。
公明党と共産党がしのぎを削っていました。
by クロヒコ (2009-05-07 23:27)
あ、つぼっちさん、トラックバックありがとうございます!
いま気付きました…。
やっぱりこのあたりの散策なら勝鬨橋は外せませんよね♪
by クロヒコ (2009-05-12 22:22)
辰巳、大好きな街です(笑)
自分も昔よく歩きました。
あの商店街とか懐かしいなぁ~。
自分が歩いた時には全く生活感のない団地があったり(辰巳じゃなくて東雲だったかも?)で20分近く誰とも会わなかったりとなかなかの現実逃避が出来ました(笑)
クロヒコさんの記事読んで自分も久々に行ってみたくなりました。
by しのっち (2009-05-17 22:38)
>しのっちさん
そうそう。
あのあたりって人の匂いそのものが希薄なんですよね。
この後、新木場まで歩いたんですが、まさしく20分ほど誰ともすれ違いませんでした。
だから辰巳の商店街は意外な発見でした。
布団干されてる大型スクーターなんてはじめて見ましたよw
by クロヒコ (2009-05-19 00:36)