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東京の最果てへ(3) [路上観察]

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これは都庁近くで撮影した、2016年のオリンピック招致を宣伝するノボリです。
気付けば都内どこに行っても目にするようになったこの幟、辰巳から新木場に向かう湾岸道路沿いにもありました。
この間は誰ともすれ違いませんでした。
車道はすごいスピードで車が行き交っていました。
…誰が見るんだろう。
ひとつ言えるのは、これを作るのも設置するのもタダじゃないだろうな、ということです。
新銀行東京の舌の根も乾かぬうちに…。


というわけで、もはや歩行者のためにあるわけではない湾岸道路沿いの物件をいくつか。

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橋から電柱のようなコンクリート柱を曳航した船を見送ってから見つけたのはゴルフ練習場のようです。
橋脚に描かれたコースを模した絵が悲しすぎます。
しかも富士山。
決して日の目を見ない場所。
銭湯の廃虚のようです。


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このあたりには新聞を刷る印刷所も多いようです。
日刊スポーツの配送車がずらりと並んでいます。
一見するとなんてことない光景ですが、驚異は潜んでいます。
一番左の車にご注目。
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配送車と、歩道と敷地を仕切る柵との間は数センチです。
一体どうやって駐車したのでしょうか?
まさに神業としか思えません。


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新木場駅の手前を右折します。
しばらく行くと、オシャレを意識した若者たちがたむろっています。
どうやらライブハウスでイベントがあるようです。
http://www.studio-coast.com/
突如渋谷センター街のような空気にさらされました。
人そのものをあまり見ていなかったので、意外性があります。


いよいよ生活臭のない地域に入ってきました。
休日なので車も通らず、時おりサイクリング乏しき人に追い抜かれます。
何故かカップルが目に付きます。
それとも、先頃彼女と別れた自分の目が濁っているのでしょうか…。
くそー。

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橋から見えた貯木場。


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久しぶりに見た工場らしい工場です。
ひと区画が大きいので、殺風景な遠景とスケールのでかい近景が続きます。


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端から見下ろした運河には、おびただしい数のクラゲが。
塊が一筋になって、まるでクラゲの天の川です。
行き着く先は排水溝の出口。栄養が豊富なのか、固まって白くなっています。


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とにかく人がいないので、幅の広い立派な車道と対照的に、歩道が荒れてきました。
この階段を下りる途中、右手の暗がりの奥から、金属バットで何かを殴打する音が響いておりました。
こえーーー。
いろんな意味で荒れすぎだよ、ここ!
何も聞かなかったことにして、全身を耳にして足早に通り過ぎます。


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工場の脇にあった無用ドア。
この虚無的な佇まいは只事ではありません。
埋立地も外れになるとますます人の気配がなくなってくるようです。
強い日差しの中で、倉庫や工場の間をひとりで歩くのは、まるで白昼夢のようでした。


次回、ラストです。
いよいよ公園に到着します。
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コメント 4

つぼっち

白線を無視した駐車、コスト削減もここまできたか、という感じです。
全然関係ないですが、昔、ビートたけしが、車庫入れの企画で、
さんまのレンジローバーをぶつけたことを思い出してしまいました。
by つぼっち (2009-05-24 10:14) 

クロヒコ

>つぼっちさん

わはははは!
本当だ、まるっきりライン無視ですねー!
その企画リアルタイムで見ましたよ。確か24時間テレビでしたよね。
レンジローバーという名前をそれで知りました。
黒い笑いが止まらなかったのを覚えています。
by クロヒコ (2009-05-24 16:13) 

quatre-l

見事な無用ドア。
完全に超芸術として存在してますね。

先日、大阪へ行きましたが今もトマソンの宝庫ですね。
by quatre-l (2009-05-30 17:43) 

クロヒコ

>quatre-lさん

コメント遅れて申し訳ありません。

人から省みられなくなると、機能がひとつ欠け、ふたつ欠け…しまいには何の意図で作られたのかわからなくなって、評価の袋小路として「芸術」へと昇華してしまう。そんな好例ですね。
大阪は、開発もされるんですが土地への愛着が東京とは桁違いであるような気がします。その愛が妙(個性的)な方向へ突っ走ってる光景が散見されて嬉しいですよね。
商店街が、路地が、街並が、まさに宝の山です。
やはり東京は、江戸の昔から伝統的に寄り合い所帯なんだな、と痛感します。

by クロヒコ (2009-06-04 21:55) 

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