SSブログ

『セカンドバージン』 [レビューなど]

各所の酷評を伝え聞き、Yahoo!映画では驚異的な「1.77」(5段階評価)というアベレージを叩き出していた『セカンドバージン』を、ファーストデーを利用して観賞してきました。
NHKで放映していたドラマは未見なのでなんとも言えませんが、映画単体でいうなら紛れもないダメ映画でした。
(以後ネタバレ全開です)

まず、主人公の鈴木京香がすごくババ臭く見える。
特に服装が「おばさんがオシャレと感じそうな」センス。
やたらと彩度の高い暗色系が多く、素養のないオッサンの着たがる色つきワイシャツにも近い色彩感覚です。
黒い服の下に、深緑のシミューズとか勘弁してください。せっかく筋肉付けて体型を保ってるのに気の毒です。
性格付けもなー。
出版界の女傑、という設定ですが、
「断られてからが仕事でしょ!」
「顰蹙はお金出してでも買う主義」
「そんなことで諦めるの!」
などなど、仕事できるっつーか、図々しいだけじゃないかと思えます。このあたり『ゴースト もう一度抱きしめたい』で松嶋菜々子が演じていた女社長とそっくりです。「きゃりあうーまん」のステレオタイプなのでしょうか。
「わたし、20年間セックスしてないの…」
って、当たり前だよ。相手の問題ですな。

で、そんなのに惚れちゃう17歳年下男子。
こいつも鼻持ちならない。
30ちょいで「役人としてやることは全部やり尽くしました」とか言って金融庁辞めて証券会社を立ち上げる。
社長令嬢の妻を差し置いて主人公に猛烈アタック。
「もっと攻めの姿勢で!」
なんて経営方針の果てに、金融商品取引法違反でめでたく逮捕。
割れ鍋に綴じ蓋のお似合いカップルですな。
執行猶予中には「あんた強すぎるんだよ!」「俺に気を使うなよ!」「猫は嫌いなんだよ!」などと破れかぶれで八つ当たり。
三十路過ぎて甘ったれてんじゃねぇ。馬鹿が。
揚句の果てに失踪。マレーシアで犯罪組織の一員に成り下がって「ちゅうごくファンド」を不正運用してたそうで、「まふぃあ」に撃たれて瀕死だそーでー。現実感無いなあ…。
どこにも同情できない…。
終盤、身を削って看病する主人公に「あんたは俺の先回りをして庇おうとする」「あんたは強すぎる。だから逃げたんだ」「一人で死なせてくれ」とか泣き言オンパレード。
てめぇ、5年経っても全然成長してねぇな!
で、出ていった主人公が男の住処を訪れて、愛を確かめたりして病室に戻って来ると、わんわん泣いた挙げ句に行った言葉が
「抱きたい…」
ほんとうに男の腐ったような男だなぁ。
早く死ねよ、としか思えません。

その妻。(フカキョン)
お嬢様キャラとのことですが、入院中の夫の目の前で平然と主人公と修羅場を展開する無神経さ。(瀕死の重症だっつーの)
「あなたはコウくん(瀕死の旦那)とえっちしたかっただけなんでしょー。だってあなたにはそれだけが足りなかったんだからー」
「あなたには、私たちの愛はわからないわ」
とかなんとか。身動きできない男こそいい面の皮です。
そんなフカキョン、夫が失踪中に事業をはじめてる。それがまた天然素材のペットフードだってさ。
鼻につくなあ!
回想シーンで二人の寝室が出てくるんですが、これが全っ部花柄プリント。こんな趣味の女はイヤです。
上腕が弛んでたり、そのへんは箱入り娘感を出したかったんでしょうけど、それなら整形前のぽっちゃりしたお顔の方が良かったと思います。
この人の衣装もダサいんだよなあ…。

これら3人の主要キャラに誰にも感情移入できません。てか、出来るヤツいるのか。


まあ不倫モノのお約束とはいえ、これらギャグすれすれの突飛でクドい設定を緊張感にうまく転化できれば、連続ドラマとして成功だとは思うんです。
でも、この映画では「マレーシアの美しい景色に彩られた異国情緒あふれる純愛物語」にしようとしてるフシがある。
所詮不倫モノにその路線は虫がよすぎるんじゃないでしょうか?
無駄に風景描写や、顔アップが長い。その分ここに至るまでの経緯がスパスパ省略されて、登場人物の心情は全て台詞で語らせる不格好さ。
もっと過去のすったもんだを、笑っちゃうぐらいドロドロに描いてくれたら眠気も減退したと思うのですが。
井戸から水汲む場面を何分も見せられてもねえ。

ついでに美意識がテレビレベルなので万事薄っぺらいんですね。
時間を費やした風景描写も、とりたてて扇情的だったりダイナミックな見せ方をしていない。
キスシーンでは常にピチャピチャ音を立ててるのでとても汚らしい。淫靡さより、卑しさが前面に出ています。音の使い方は他の場面でも無神経に感じる箇所多数。
暗い会場で大画面、大音量で観賞することを理解できていないように思いました。
テレビと映画は違うんです。
この辺りの分別の無さは、「邦画界の掃除屋」こと堤幸彦先生の作品にも顕著です。

いつも通り鈴木京香にしか見えない鈴木京香と、いつも通り台詞にまるで強弱のない深田恭子はともかく、魔性のエリート青年を演じる長谷川博己という役者さんが全然イケメンじゃないのは致命的。
流行ってますよね。爬虫類系の顔。
このルックスであの自意識過剰な言動じゃ、すべて勘違いとしか思えません。ある意味リアリティーあるのかもしれませんが。


うーん、こうしてあげつらっていくと、褒めるところがないじゃないか。
「よくわからない人は、ドラマを見てからもう一回観てね」
とでもいうような作りでした。
誰が見るか!!!
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。