麻生太郎で『堕天使BLUE』を作ってみた [歌謡の花道・メタルの花園]
原作は新條まゆさん(この方の漫画についてはこちらhttp://kurohiko.blog.so-net.ne.jp/2007-03-11でも紹介しています)の少女マンガで、平凡な女子高生であった主人公がひょんなことから凄腕ヴィジュアルバンド「リュシフェル」の凄腕ヴォーカルと知り合い、憧れ、恋に落ち、ついでに内に秘めたる詩作の才能に覚醒し、冷血マネージャーの策謀や熱狂的ファンのやっかみやライバルバンドとの鍔迫り合いを経て、スターダム街道を驀進する痛快ストーリーです。
メンバーの実家が家元だったり、作中の世界的ロックスターの名前が「フレディー・ジャクソン」だったり、ヴィジュアルファンとロックファンとオタクと好事家の琴線と突っ込み魂をかき乱す要素が満載でした。
さて、アニメの人気の高まりをうけ、お約束として「リュシフェル」が現実にデビューしてしまいました。(のちにライバルバンド「エミュー」までデビュー)
当然、当代一流の作詞家作曲家を招いてマネー重視の(推定)プロジェクトが発動。
その結果、デビュー曲『堕天使BLUE』はキャッチーかつ無茶なメロディーとこっ恥ずかしい歌詞が絶妙に絡み合った、理想的な男闘呼組歌謡曲となりました。
ほとんど女子供向け市場であるヴィジュアル系歌謡のエッセンスを無機質かつてんこ盛りで提示した、言わばショッカー怪人の究極としての仮面ライダーの如き楽曲です。
かつてない気恥ずかしさと後ろめたさを演出してくれる歌詞を現出せしめたのは森雪之丞先生。
まあ御覧ください。動画はこちら↓
http://jp.youtube.com/watch?v=17xkkwV1_VI&feature=related
歌詞はこちら↓
http://music.yahoo.co.jp/shop/p/53/202/Y011386
さて、話戻って新條まゆさんは、売れないアイドルと20代の総理大臣の赤裸々な性生活を描いた『ラブセレブ』という作品も描いてらっしゃいます。
そこで漫画に通暁し、なにかと話題の多い麻生総理大臣をメインに据えて『堕天使BLUE』の替え歌を作ってみました。
上にリンクを張ったオリジナルの歌詞を比べていただけたら幸いです。
キレた国士と幕屋の
ハーフなんだね俺たち
黒いダイヤをしゃぶって
ひんまがってる唇に
無くした支持を
下げるようなKISS
ホテル招いて欲しけりゃ
ホッケ煮詰めてねだれよ
アキバに映えるおまえが
ゼリーみたいに吠えてる
過激な放言口ずさんで
Baby Leady for dance?(英語、けっこう上手いね)
手抜きの跡が
かすかに滲む
新幹線の梁
無学を秘めた
その瞳は
BLUE…BLUE…堕天使BLUE
そう孤立に震えた顔色(いろ)さ
リュシフェルと麻生太郎。
時期的にも大きなズレがあり、両方押さえているの方は少ないとは思いますがどちらもネタとしては1級品です。
また、特に後者は賞味期限が短そうなので覚えているうちにアップしておこうと思いました。
悪魔が先かパンクが先か [歌謡の花道・メタルの花園]
えー、以前こんな記事(http://kurohiko.blog.so-net.ne.jp/2006-03-23)を書いたりして、そのあとB`zのパクリ楽曲を厳選して元曲とセットで編集したネタCD(しかも二枚組)まで作ったのですが、このたびジャケットのネタ元パクリ疑惑物件を発見しました。
ていうか、同じ素材。
片や、商業ロックの最高傑作「SEX PISTOLS」のベスト盤ですが、制作年代は聖飢魔IIの方が8年ほど先ですね。
知らなかったのかなあ。怪しいなあ。
所詮、人は悪魔の悪行を真似る事しか出来ないのかもしれません。
ちなみに「PONK!」の4曲目「TEENAGE DREAM」は歌謡ロックの名曲です~。
個室より愛を込めて [歌謡の花道・メタルの花園]
見てのとおり、漫画喫茶とやらに来てみました。
以前一度来たことはありましたが、個室は初体験です。
狭っ!先ほどから小さな羽虫がぷんぷん飛び回っていてうざいです。
キーボード打ちにくいし、あんまりきれいじゃないし…。まあ、これも経験経験♪
実は、ここに勤めている友人のバンド君にステージ衣装のへヴィ・メタルTシャツを渡すためにやってきたのです。
休憩時間のはずがうまくいかず、ひとまず個室に押し込められたわけです。
ちなみにTシャツの絵柄は例によってMANOWAR
です。
背中にはモンスターとおねえちゃんが描かれています。もう、大好き。
マット・ビアンコ力 [歌謡の花道・メタルの花園]
「まっと・びあんこぢから」
と読みます。
このところハードロックやヘウ゛ィメタルしか聴いていなかったのですが、久々にダンサブル南国風歌謡ユニット、マット・ビアンコを聴きながら通勤したのです。
最初はのぼぇ、と沈み込んでいたこの時期特有の感性性不感症は見る見るうちに駆逐されて、おぉ、見慣れた景色に彩りが。
たった2分でほうらあなたもこの通り。
1対全部の障害物競争、ラッシュの人並みもす~いすい。
不意に立ち止まるおばちゃん、カートを押して奇声を発する老婆、物見遊山の白人夫婦…ぬるいわぁ!マットでビアンコでダンサブルなリズムが彼ら挙動不審者の動きを教えてくれます。
おお見える。わたしにも敵が見えるぞ!
ここで唐突に一句。
無機質な 群れを切り裂け ラテンの血
脳内アラ・エッサッサー状態で職場に到着し、とりあえず「今日、寒いッすねー!」と言ってから、自分の周りを覆っていた魔法のシャボン玉がパチンと弾けました。
さ、寒い!そうだ今日は寒かったんだ!
ああ、マットのマットが消えてゆく!(意味不明)
社交辞令のリアリズムおそるべし!
こうしてラテンの魔法は封魔の呪文にあっさり打ち破られ、あたかもストーカーに怯える団地妻のように、冷え切った肩を強く抱きしめたのでした…。(なんつうオチだ)
短命の応援歌 [歌謡の花道・メタルの花園]
久しぶりに音楽のお話。しかも今回こそはカテゴリーに違わず歌謡曲の話。
こちらは昭和歌謡をヒューチャーしたナニワの実力派シンガー、大西ユカリさんが歌う近鉄バファローズの応援歌です。
…このシングルが発売されたのは2003年。翌年の夏に近鉄は球団経営から撤退することを発表し、オリックス・バファローズとして今に至っているのはご存知の通り。つまりあれだ。たった1年足らずしか使われなかった悲運の応援歌なのです!
肝心の内容はといいますと、これが実に素晴らしい。
Aメロ、Bメロ、サビと滅茶苦茶わかりやすくて、メリハリの利いた構成。
50年前にターイムスリップ!的なテンポの良いメロディー。
全盛期の和田アキ子を髣髴とさせるダイナミックなボーカル。
さらに随所に大阪を過剰にアピールした小ネタも差し挟み、思わず頬が緩みます。
応援歌一般にありがちなぎこちなさは皆無で、メロディーに馴染んだ応援メッセージをカラっと歌いきる小気味良さは爽快です。松崎しげるさんが歌う西武ライオンズのテーマ曲もカッチョ良いですが、勝るとも劣らない完成度です。
応援歌としての命は短かったものの、歌謡曲としては一本筋の通った、聴いていてワクワクしてくるような作品です。
あと、コテコテなビデオクリップも付いててお得です(^^)
甲斐の虎あらわる [歌謡の花道・メタルの花園]
昨日の仕事帰りには隠れたエロネタの検索に思考能力の限りをつくしていたのですが、BGMとしてラクリマ・クリスティー(La’cryma Christi)を聴いていました。
その中で聞き捨てならないフレーズを耳にしました。
「風林火山な恋の行方も
二人ならうまく乗りこなせるさ
君だけを守りたいよ
きらめく愛のひらめき
フォーエバー」
うほっ!ラクリまくり!
このバンド、電波系の歌詞には定評があります。
「だけど君の細い指紋のなか 世界中の貝殻 僕の声と混ざり 広い空へ浮かぶよ」(「Lasha」)
「四角すぎる病室」(「Magic Theatre」)
「神がこの世をリセットしたのさ」(「イスラエル」)
「大笑いの影 列車が近づいて 4人を轢いていく 夢は線路に散った…」(「GUM」)
など、イカしたフレーズてんこ盛り。
今回ではついに甲斐の虎が出陣しました。
プログレ系技巧派ウ゛ィジュアルバンド、ついに戦国へ。
しかしこのバンドは演奏技術に関しては国内でも屈指の実力派だと思います。
1st~3rdアルバムあたりでは、往年のジェネシス(Genesis)やキングクリムゾン(King Crimson)などの影響が見受けられます。国内のバンドでここまできっちりプログレッシブ・ロックらしい音を出していたバンドも珍しい。
作曲センスも非凡です。
そもそもピーター・ガブリエル脱退後のジェネシスといい、プログレ出身者の化学反応バンド、エイジア(ASIA)といい、このジャンルの人たちはもともと優れたポップセンスを持っています。
彼等も、奇想天外なメロディーや多彩なリズムパターンを駆使して、密度の高い歌謡曲を聞かせてくれます。
個性的な歌詞と癖のあるボーカルが気にならなければ、こちら↓などはかなり楽しめると思います。
ハードロック路線の最新アルバム「ZEUS」も良いです。
好き好きボドムっ子 [歌謡の花道・メタルの花園]
今日はTSUTAYAでChildren of Bodom(チルドレン・オブ・ボドム)のCDを借りました。
自宅のCD棚を整理してたらいつの間にか紛失してたので。
TSUTAYAで借りたCDはいつも汚いのですが、これら2枚は新品同様でした。
聴く人が少ないからか、ブームに合わせて最近置いたからか、いまいち理由はわかりませんが、なんか得した気分。
最近メジャーになってきた感のあるへヴィ・メタルのジャンルが「メロディック・デス」略して「メロデス」です。
ボーカルはデスヴォイス(「ゴー!」ってやつ)でありながら、曲調はポップ☆といった、一見矛盾した要素が融合した妙なジャンルです。
へヴィ・メタルはかなり柔軟性のあるジャンルとはいえ、メロディーもスピードもだみ声も行き着くところまで行っちゃった感のあった20世紀末、このような各種いいとこ取りのジャンルが生まれたのは必然だったのかもしれません。
その中でもぶっちぎりで活きがいいのがこのChildren of Bodom略して「チルボド」。ちなみに仲間うちでは直訳した「ボドムっ子」で流通しております。
曲調は…なんというか、デス声に乗せてへヴィメタルの要素を通常の3倍の密度に圧縮して演奏したような感じです。
臭いメロディーも絶叫も轟音ギターの速弾きもドラムのバスドラム連打も、ぜーんぶまとめて3分ちょっと(笑)
濃っ…。
作曲とボーカルギター担当のバンドリーダー、アレキシ・ライホは」メロディーセンスと、フレーズのストック、全部の楽器の音を考慮した総合的な視点などを備えたすごい兄ちゃんです。
ちょっとエルビス・プレスリーに似てます。
今回借りたのは2ndと4thアルバムですが、今までリリースされている5枚の中で、やはりお勧めはこちらの2枚と思われます。
とにかくアルバム全体を貫く勢いが凄い。40分に満たない収録時間(なんてリスナー思い)なので、ダレずに一気に聴けます。
めくるめく轟音とメロディーのうねりに身を委ねるこの快感よ。
聞き終えた後に訪れる心地よい疲労感よ。
あと、アートワークが面白い。1枚目から5枚目まで一貫して大鎌持った死神さんです。ここまで一貫したジャケットも珍しい。とにかく聴け!ということでしょうか。。。
ちょっとでもへヴィメタルに興味のある人は騙されたと思って聴いてみてください!
B'zファンの人は読まないでください [歌謡の花道・メタルの花園]
先日DEEP PURPLEのアルバム紹介しましたが、その中で「『Comin'Home』はB'zにパクられている」と書きました。
その後、B'zのパクりネタが妙に気になりまして。
散々手垢のついたネタとは承知してましたが、ネットで調べてリストを作って音源を入手して、パクり作品と元ネタを聞き比べて楽しんでいたわけですよ。
なんでこんなしょうも無いことになると俄然行動的になるのか。我が事ながら良くわかりませんがこれがヒットでして。
テレビを消音してゲームのBGMにしたら、笑いが止まりませんでした。
有名な例をいくつか挙げますと、
「Bad Communication」と「Long Train Runnin'」(The Doobie Brothers)
「憂いのGYPSY」と「What It Takes」(Aerosmith)
「ALONE」と「Time For Change」(Motley Crue)
「MR.ROLLING THUNDER」 と 「Love in a Elevator」(Aerosmith)
「Don't Leave Me」と 「Cryin'」(Aerosmith)
「破れぬ夢をひきずって」と 「Right Now」(Van Halen)
あたりです。
そのなかでもいちばん完成度が高いのは、
やはり「Out Of Control」と「Comin'Home」であると確信するに至りました!
だって、歌えるんですよ。
前者の歌詞で後者の歌を。
これはすごい!
ちなみに自分、パクりについて是非は問いません。
B'zを非難も弁護もしません。
つーか、どーでもいいんですね。別にファンじゃないし。
ただネタとして面白いので紹介してみました。
今回これがきっかけで初めてDoobie Brothersを聴いてみたんですが、これは良いのですね。
うん。それなりに有意義でした。
禁断の花園の入り口 [歌謡の花道・メタルの花園]
最近、こんなCDを買いまして。
自分はDEEP PURPLE好きでして。
リッチー・ブラックモア無き後、かなり芸風が変わったらしいと聞いたので買ってみました。
確かに「ハードロックの元祖」といった芸風ではありません。
なんつーか、もっとブルージーとでもいった感じ。ただのおしゃれポップ風の曲もあります。
ただ、本当の理由は1曲目の「Comin'Home」といういかしたスピードナンバーを聞きたかったからです。
というのもこの曲、B'Zにパクられてるんですね。
結果として自販機の受け取り口にがらがら落ちてきたのが「Out Of Control」(アルバム「Run」収録)。
以前『PURPLE CHRONICLE』というベスト盤で聴いて「あれ?」と思ったのが大人としてのB'Zの聴き方の初体験だったのです。
今回このアルバムをとおして聞いてわかったのは、4曲目の「I Need Love」という曲もパクられてます。
結果として孵化したのは「EASY COME,EASY GO!」」(アルバム「Risky」収録)です。
B'ZといえばAerosmith(エアロスミス)のパクリが有名ですが、今回ネットで情報収集してみたら、いろんなバンドを手広くカバーしてることを知りました。
誰もが知ってるあのバンドから、聴いたこともないようなグループまで。
仕事熱心ですね。
日本的なロックをハイペースで量産するバンドですよね。
そういえば、どっかのインタビューでボーカルの稲葉さんが尊敬する歌い手として挙げていたのが、この「COME TASTE THE BAND」でも歌ってるデヴィッド・カヴァデールなんですね。
なるほどな~、と。
とりあえずアルバム一枚でB'Zのネタ元が2曲も聴けるので、物好きな方にはお勧めです。
あ、内容もいいですよ!少なくとも前任ギタリストのリッチー・ブラックモアがだらだら参加していた前作前々作よりよっぽど生きがいいし、聴きやすい。
もっとも、DEEP PURPLEはこのアルバムを最後に、一度解散しちゃうんですが。
悪魔さんたち、宇宙へ [歌謡の花道・メタルの花園]
今回はジャパメタのご紹介。
先日行った中野ブロードウェイの中古CD屋さんで発見しました。
Amazonリンクに画像が無いんで、携帯で撮影したものを載せます。
かっこいいっしょ?
もともとミュージックテープ(平成生まれにゃわからないんだろうな…)で愛聴してたんですが、MDにダビングしたら酷い音になってまして、文字通り擦り切れるほど聴いてたんだなー、と。
だから、CDを見つけたときは嬉しかった。。。聖飢魔Ⅱのアルバムって最近あまり見ないんで。
そんなお気に入りのアルバムですが、あえて断言しましょう。聖飢魔Ⅱ最高傑作であると。
バンド自体が昇り調子だった時期に、ちょうどレベッカのキーボード、土橋安騎夫氏が合流、プロデュースしたこの作品。総合的な完成度が半端じゃないっす。
聖飢魔Ⅱの凄いところは、メンバーの自己犠牲を厭わず、その結果曲自体の完成度を高められる点です。現に「害獣(けもの)達の墓場」という曲のソロは、ほぼドラムソロと動物の鳴き声で終わっちゃうし。押すところは押し、引くところは引く。ぼん・きゅっ・ぼん!みたいなに緩急自在な曲展開に飽きがこないんですよ。
メンバーが元々持っていた技術とセンスと根性に土橋氏の大局からの視野が加わり、娯楽性が大幅アップ。CMタイアップ曲からジャジーなシャッフル、お遊び風スピードナンバー、果ては計画的空耳ソングまでバラエティーに富んだラインナップです。捨て曲無し。
工夫と遊び心に満ちた歌謡メタルです。
20年近く前の作品ですが、自分にとって今聴いても発見がある傑作です。