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2011 北海道&東北旅行(2) [大なり小なり旅の記録]

7/16(土曜日)・その1

朝は4時頃目覚めました。列車は払暁の噴火湾沿いを走っておりましたが、あいにくの雨天です。
明るくなっていく車窓をぼんやりと眺めていたら、隣の席の女性が話しかけてきました。
お話を伺うと「北海道&東日本パス」を使って千葉から普通列車を乗り継いできたとのこと。
加えて、レンタサイクルで旧跡を巡ってきたとか。
すごい!
このような肉体系貧乏旅行には大いに共感します。

お話していくと同世代ということも判明し、その後も映画などいろいろな話題で盛り上がりました。

そういえば自分は余り旅先で人とお話することってないなあ。
2000年頃、姉が懸賞で当てた日本ライン下りのタダ券を使うべく、はるばる名古屋へ行った帰りの中央西線のなかでお話しした研究者のご夫婦が面白かったです。
ご専門は西アフリカの文化だそうで、そのとき紹介された著作のリンクをこの際張ってみます。
http://www.akashi.co.jp/book/b64091.html
http://www.akashi.co.jp/book/b64231.html

彼女はこのあと富良野へラベンダーを見に行くとのことで、札幌駅でお別れしました。
よい旅を~。
自分はといいますと、洗顔したり髭を剃ったりして1時間ほど使い、7時過ぎに札沼線という通勤&ローカル線に乗り込みます。
この矛盾した性格を持つ路線は、途中の石狩当別までは札幌のベッドタウンとして発展しつつあり、そこから終点の新十津川までは畑と牧草地が広がっています。
市内の沿線は札幌の中でも新しい地域で、建物も新しめですが、雪下ろしのためか平らな屋根の家はどれも屋根まで梯子が伸びていました。
競馬場周辺に広がる厩舎、そこにある3車線ならぬ3馬線?の馬専用陸橋などにも感心しつつ、気づけば終点石狩当別まで寝入っていました。

石狩当別からの列車は1両編成。
高校生たちがボックスを占領すべく空席にバッグをセットするので、あえて中央で仁王立ち。
オシャレ(らしい)しているカップル及び上層階級と、無口に俯く下層階級のヒエラルキーが一目瞭然です。
面白いぞ、ここの高校生。
彼等はみな途中の石狩月形駅で降りていきました。
ちなみにこの列車で見つけた落書きがこちら。
2011 0716 01.jpg
ウゴウゴルーガ…。時代を感じます。

さて、終点の新十津川駅からは、函館本線の滝川駅まで4キロ弱とほど近く、十分歩けます。
2011 0716 02.jpg
札幌から70キロ以上並走して、最も近づくのがこの区間なのですね。かつてアリバイ崩しのトリックに推理小説にも採用されました。
雨は激しくなってきましたが、とりあえず出発。
徳冨(とっぷ)川、石狩川と2本の川を越えなければならず、渡河の常として一直線とはいきません。
2011 0716 03.jpg
大きく迂回するルートを歩いている内に、素足にサンダルの足が妙な具合になってきました。
もともと両方の薬指に水ぶくれが出来かけていたのですが、ここに来て悪化したようです。加えて親指の付け根の内側にも新しいのが出来てしまいました。
滝川駅であわてて靴下を履きました。

途中で気になった物件をいくつか。
2011 0716 04.jpg
郷土の銘酒「金滴」。脳内で「きんてき」というとあっちの方に変換されてしまいました。

2011 0716 05.jpg
滝川の街で見つけた空き家。脚の抜けたベランダも危なっかしくていいのですが、犬小屋の前で四つ足を踏ん張っている謎の機械も気になります。

ここは根室まで長駆する北海道の大動脈、根室本線の起点ですが典型的な地方都市で、畳まれた店も目立ち、衰退しているようでした。
ここから留萌本線の起点、深川まではたった3駅ですが、このあたりは普通列車が少なく、また歩ける距離であるはずもないので、別途購入していた特急券と乗車券で特急列車を使います。
列車の本数そのものが少ない北海道はこのようなケースが多いので、鈍行旅行ではかなり余裕を持った旅程が必要です。

深川から留萌本線の二つ目の秩父別までは歩ける距離でしたが、天候と足の状態を鑑みて列車で移動することに。
北一已(きたいちやん)というすごい当て字の駅の次が秩父別。
2011 0716 06.jpg
駅から線路際を戻る感じで5分ほど歩くと、元気よく回るペットボトル風車の向こうに大きな施設が見えてきました。
去年、三重県養老などで訪れたような巨大温浴施設です。
2011 0716 07.jpg
こちらの「ちっぷ・ゆう&ゆ」、私は気に入りましたよ。
その理由を挙げますと、
1.お客が少なかった。
2.清潔だった。
3.入湯料が安かった。(500円)
4.受付のお姉ちゃんが可愛かった。
5.お土産が豊富。
6.有線で何故かエアロスミスがかかっていた。

そして何より、
7.併設されていた食堂が素晴らしい。
です。
露天風呂などはなかったものの、この手の施設の割にはシャンプーなどの泡切れも良く、いい気分で湯から上がって、この日初めてまともな食事をとるべく食堂へ。
あれこれ考えるのが面倒くさかったんで、おすすめの牛カルビ定食を頼んだらこれが大当たりでした。
お肉からお米からサラダまで、まったく死角のない美味しさ。
「北海道は何を食べても美味しい神話」はこの度めでたく更新されました。

休憩スペースの入り口脇には、地元のサークルでしょうか、川柳の短冊が飾ってありました。
面白かったのでいくつかピックアップしてみます。

・見栄を張り 英字新聞 逆さ読み
・呪文かけ やせた気分で 散歩する
・裏の裏 読んで消えない 不整脈
・のらくろを 読んだ仲間も 影薄く
・原発の 風も流れも 読み切れず

などなど、力作揃いでした。

なんかいいな。
また来たいな。ここ。

(つづく)
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つぼっち

北の大地の景色にも心奪われますが、
川柳が秀逸すぎます。
「裏の裏~」は、nice!を10個くらい差し上げたいです。
by つぼっち (2011-07-27 23:08) 

クロヒコ

>つぼっちさん

川柳いいですよね~♪
この施設は、お得意さん(?)と運営サイドの距離が近くて、とても居心地が良さそうでした。

今回は北海道では天候に恵まれず、涼しいを通り越して肌寒かっただけに、温泉はありがたかったです。
by クロヒコ (2011-08-02 20:46) 

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