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2011 北海道&東北旅行(3) [大なり小なり旅の記録]

7/16(土曜日)・その2

秩父別から再び留萌本線に乗り込みます。さっぱりしてお腹いっぱいになって、そのまま寝込みます。
目覚めたら留萌。ここからは海沿いを走るのでくわっと目を見開き、向かって右側の席へいそいそと移動します。
待望の海を望むも、曇天によりものの見事に無彩色。
とはいえ、抜けの良い光景は心地好い…はずが、後ろの席のおばさんが引っ切りなしに独り言を呟いていて、気味の悪いことこの上なかったです。
とほほ。
このあたりになるとアイヌ語の地名への当て字がすごいことになってきます。
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「あふん」て。
ちなみに「のぶしゃ」→信砂、「れうけ」→礼受です。

そして終点。全世界の男性諸氏憧れの駅、「増毛」についに降り立ちました。
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これが、実に寂しい終着駅でした。
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行って帰ってくるだけ、車庫も無し。冬はさらに寂寥感が増すと思われます。

ここはかつて港町として栄えたそうで、明治の建物を保存しています。一風変わった町並み。
海へ行くと海岸は一面のテトラポットで護岸されており、フナムシいっぱい。
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しばらく海を眺め、右側(北)の海岸線へ視線を移すと、いくつか風車が見えました。

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港町といえば猫。この子猫はカメラを構えても逃げませんでした。かわいいなあ。

漁港へ向かう途中で、ぶっ壊れたカラスの死骸を見つけましたた。
港でワシがカラスを襲っていました。カラスにも天敵っているんですね。駅への道すがらもうひとつ見つけました。
矢追純一さんは増毛に来るといいのではないでしょうか。
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1時間しかなかったので、とりたてて名所に立ち寄るわけでもなく帰りの列車に乗り込みました。
このあたりの車両には冷房はありません。多少蒸しても窓を開けるか扇風機のスイッチを入れれば事足ります。
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北海道の車窓を眺めていつも思うのは、ここの廃墟は壊れっぷりが物凄いということ。
まるで巨人に踏みにじられたように粉々に潰れています。
これはやはり極端な温度差から来るのではないかと想像しています。
木造家屋の建材にしみこんだ水分が凍って膨張して、ひびが徐々に拡大していき、全体的に脆くなって、時期が来ると一気に潰れるのではないか、と。
かつて今はなき、ちほく銀河鉄道沿線を歩いたとき、表面が粉々に破砕しているコンクリート橋を見たことがあります。

深川で1時間ほど乗り換え時間があったので、お土産など買い、街中をプチ散策しました。
滝川にくらべて個人商店が元気な街で、文房具屋さん、葬儀屋さん、都心でもなかなか見かけなくなったお店がちゃんと揃っていました。
駅に隣接している物産館にお土産がいっぱいあったのでお買い物。ついでに買ったのは巨大な150円のメロンパン。
列車の中で早速食べたんですが、これがとても旨い。一体どこまで美味しいんだ北海道!

岩見沢で乗り換えですが、お祭りかなにかあったらしく、高校生が大量に乗り込んできました。またかよ…。
ちょうど日も暮れてしまったのでiPodの中に引きこもっている内に寝入り、目覚めると自分の車両には誰もいなくなっていました。
せっかくなので靴下を脱ぎ、水ぶくれの手当てを敢行。
今回はずいぶん荷物が多くなってしまったのですが、眉毛切りハサミと絆創膏が役に立ちました。
こんなものが入り用になる旅も初めてです。

終点、苫小牧には9時過ぎに到着。
列車の天井からイヤな音が響いてはいましたが、やっぱりすごい雨。
あーあーあー(T▽T)
駅前のタクシーの列を見て心が折れそうになりましたが、思いのほか足の調子が良さそうだったので歩き始めました。
予定通りならば4キロちょっとの道のりです。
何処へ行くかと申しますと、フェリーターミナルであります。
フェリーで八戸まで。向こうには朝に着きます。列車を使うと東室蘭で1泊、青森にはお昼過ぎに着くので、大幅に時間の節約になり、木古内~蟹田間の特急料金も支払わなければいけないので宿代もさして変わりません。
ちなみに2等船室は4500円、1等は9000円です。
昨日列車で泊まって、2泊目が雑魚寝というのもアレなので、やや奮発して1等を予約しました。だって、ベッドもあるし。
待ってろ寝床。
しかしそこまでの行程は甚だ厳しいものでした。
まず、暗い。これは地方都市共通なので、歩道があるだけまあよしとします。
しかしそこは北海道、舗装が悪いのです。雪の降る地域は何処もそうですが、轍、ひび割れ、路面崩壊が著しく、時折スピードを出した車が通ると、とんでもない距離まで水が跳ね上げられます。
足下がよく見えないので何度か水たまりに踏み入れてしまいました。
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そして、これはどこの港にも(空港でも)割とみられることですが、歩道が突如消えたりします。
もとより徒歩の客は想定していないんですね。
せっかくターミナルの建物が見えたあたりで歩道はついに途切れ、最後は駐車場の芝生を突っ切って到着しました。
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駅から約1時間。十分歩ける距離です。雨さえ降っていなかったら(泣)
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フェリーの乗船手続きは初めてなので、ちょっぴりどきどきしましたが、ネット予約でゲットした乗船番号に住所名前電話番号でおしまい。
大きな待合ロビーにはこの時間でもお土産屋さんが営業していたので、なかば諦めかけていたROICEのチョコレートを買うことが出来ました。
フェリーにして良かった!
備え付けのテレビでスポーツニュースなど見つつ1時間ほど待って、乗船開始。
船室は2段ベッドがふたつあるものの、どうやら自分しか乗客はいないようでした。いやっほー!
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浴室があるとのことで、出航前に行ってみました。なんと船室には浴衣も常備されています。
狭っ!
5人分ほどの洗い場と、これまた5人入ったらいっぱいいっぱいの浴槽。
身体を洗っている後ろで、掛かり湯なんて何処吹く風のじいさんがざっぱーん、と浴槽へダイブ。あー、やだやだ。
身体だけ洗って早々に上がりました。あー、昼間に温泉行っといて良かった!

夕飯を買いに売店に行ってみましたが、クリームパンとカップラーメンで精一杯。でもいいのだ。
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広々とした(気分的に)船室を独り占めしての食事はメニューに関わらずリッチな気分になれます。
試しに明かりを消してみるとただならぬムード感(意味不明)。
闇に沈んだ窓のスクリーンを、左から右へ流れていく苫小牧の街。
さらば、北の大地よ。
パックのお茶を掲げつつ、俺の瞳に乾杯。
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(つづく)
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つぼっち

北海道の地名は本当に独特のものがありますね。
「れうけ」って、ドイツ語か何かと思ってしまいます。
そして、留萌本線の終端。
あんな線路の終わり方ってあるんですね。
初めて見たような気がします。
by つぼっち (2011-08-28 23:17) 

クロヒコ

北海道の駅名は日本語では珍しいものが多く、特に「ら」と「れ」と「る」で始まる駅名は多いです。
「蘭留」「蘭越」「礼受」「礼文」「留萌」「留辺蘂」などです。

増毛駅はなまじ街の中にあるだけに消え入るような終端が哀しげです。
加えて、離れた駅舎や余分なスペースと相俟って寂寥感があります。
スロープの養生も投げやりだなあ…(T▽T)


by クロヒコ (2011-08-31 00:21) 

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